度々、テレビやネットで流れる飲食店での食中毒のニュース。
お客は絶対の信頼を持って来店する訳ですが、食のプロである飲食店でありながら日本でおこる食中毒被害のほとんどが飲食店で起きているという事を皆さんはご存じでしょうか?
家庭と飲食店の違い
たまたま入った飲食店でご飯を食べた後、体調を崩した。。。病院に行くまではならなかったけど、、そんな経験ある方多いのではないでしょうか?
でも毎日、家で3食、お母さんの手料理を食べていて食中毒で病院に搬送されたなんて方は少ないと思います。
それも当然で、食中毒の患者数でいえば飲食店での患者数が50%に対し家庭での割合は1%に過ぎないからです。
何故か?
家庭では、今日の献立分の食材が冷蔵庫に入っている、明日の分の食材も入れている、明日食べる分まで作り置きする。まぁこんなところで、食材の賞味期限、消費期限が切れるまで眠ってしまう食材って普通はないですよね。
しかし、飲食店では豊富なメニューに対応する為に多くの食材を確保しています。現代では冷凍技術が発達し、高級店でも冷凍品を使う店が増えましたが、それでも、人気メニューの食材は回転するけど、全く回転しない食材が出てしまうものです。
それに加えて、年中無休や長時間営業です。
冷蔵庫、冷凍庫は開ける回数が多ければ多いほど食材は痛みます。食中毒が発生する状況は整ってしまっているのです。
【飲食店裏話】
よく、飲食店で『本日のおすすめ!〇〇〇』なんて看板ありますが、実は、あれは、この食材そろそろやばいなってサインだったりします。
また、『シェフの気まぐれ〇〇〇』なんて上手い事言ったもので、新鮮なものから使うなんて発想は飲食店にはありません。基本的に古いものから使うが鉄則です。ご注意下さいませ。
長時間営業、年中無休が生む悪循環
飲食店の労働環境が劣悪なのは、飲食業に関係の無い方でも周知の事実だと思います。
大型店ともなれば、管理するものが多すぎて衛生面が疎かになってしまうのでしょう。
しかし経営側もそんな事は分かっています。そのぐらい従業員を追い詰めないと利益が上がってこない業界ですから。
除菌、除菌、除菌、手袋の徹底、極めつけは食材を食材用洗剤(これ結構衝撃でした)で洗う。
しかし、そこまでやっても食中毒が発生してしまう。
それは、安さ安さを競う今の飲食業界の流れが大きく影響しています。
安さを追求するという事は、コストダウンをするという事。本来はこのクラスの食材を使うけど、もっと消費期限ギリギリで安いものを仕入れるという事。
薄利多売の飲食店、少しでも売り上げを上げる為に、営業時間を延ばす、休みを無くして営業日にする。。。結果、衛生面に穴が空いてしまうのです。
極めつけのアルバイト運営
最近、話題のバカッター。チェーン飲食店アルバイト従業員のおバカ投稿がニュースを賑わあせていますが、これも安さを追求した代償です。
もはや飲食店はアルバイト運営と言ってもいい状態なのです。社員は店舗に一人か二人、利益を上げるためにアルバイトが営業をしています。
飲食店の知識、衛生の知識、調理の知識、そんなものなんてない人間が、マニュアルに書かれた方法で調理し、写真と同じように盛り付けをして出しているだけなのです。
「やべっ食材落としちゃった、、、まぁ社員もいないし出しちゃえ!」そんな世界です。
そりゃ日本で起こる食中毒の大半が飲食店で起こっているというのも無理はありませんよ。
最後に
飲食店を利用する方へ、飲食店だからといって全てが安心と思うのはやめるべきです。
体調がすぐれないのに、安さ爆発の飲食店の利用は極めて危険です。
安さの裏にはカラクリがあります。そして利用者の安さ安さの流れも、衛生面にこだわった飲食店を潰す流れとなります。
飲食というものは人が口にいれるもの。安心、安全を考えたら、それなりのコストが掛かるものなのです。
飲食店も働き方改革として年中無休の取りやめ、深夜営業の廃止、定休日を設けるなどやっている所もありますが、それはあくまで世間体を意識してのこと。
もっと衛生面の事を考え、安心、安全を生み出す努力。アルバイトに頼らず、しっかり知識を持った社員を据えてお客が安心出来る店作りをしてほしいと切に願います。
飲食店はそれなりの金額が掛かる。それが当たり前。そんな時代になることが私の夢です。