飲食業はブラック企業ブラック業種と言われ続けている現在の日本。
しかし、ただ単に、「仕事がきつい」「休みが無い」などの理由で飲食業がブラックだと言ってるのであれば、様々な職種に勤めてみれば意外にどこの会社も社員を酷使しているというのが分かるものです。
でも私の周りでは飲食はブラックという声が良く聞こえてきます。
じゃぁ転職すればいいじゃないか?
でも、ほとんどの人が飲食業はブラックだと言いながら飲食業に身を置いているのです。
なぜ???
結局のところ、飲食の畑で育ってきた人にとっては飲食業は気楽、むしろ飲食業以外のところに転職する事の方がもしかしたら大変なのかもしれません。
何故、飲食業がブラックになってしまうのか?
単刀直入に言ってしまうと、、、儲からないから。です。
飲食業が、労働基準法通りに働けるように社員の数を充実させようものなら、どんな飲食店も赤字店舗へまっしぐらです。
何故なら飲食業は『席数』『回転率』『客単価』が全てです。定休日を作ればもちろん売り上げはゼロ。営業時間を短くすれば売り上げ減。そして安さ安さを追求した現代の飲食業は薄利多売が主流。
結果、少しでも売り上げを上げる為に長時間営業、年中無休の飲食店が増えているのです。
しかし、いくら営業時間を長くしてもランチタイムの1時間だったり、19時からのディナータイムだったり、飲食店というのは忙しい時間は決まっています。
社員を雇えない理由がそこにある
飲食店が常にフル回転状態であれば、全員社員でお店を運営するというのも夢ではないかもしれませんが、そんな飲食店は無いと言ってもいいでしょう。流行り、天気、広告、飲食業が水商売と言われるように明日もお客が満席になるという保証はどこにもありません。
例えばランチタイム、ディナータイムは従業員の人数はキッチン、ホール併せて10人欲しい。でもそれ以外の時間は4人もいれば十分。そうなると経営者目線で考えれば時間で使えるアルバイトをメインで使うのは当然ですよね。
実際、大手チェーンでも店舗に社員は一人、二人の配置でそれ以外は全てアルバイトです。
そうなんです。。。現代の飲食店はアルバイトが運営している状態なのです。社員は管理が仕事、だから近年のバカッター問題などありえない事案が頻発してるのです。
飲食店の社員へ進むなら覚悟が必要
飲食店の社員。それはそれは過酷です。私も20年以上飲食店に身を置いていましたが、40代、50代のビジョンが見えず現場を離れました。
店が年中無休であれば社員も年中無休。心休まる時間はありません。長時間営業、トラブルがあれば寝てても電話で対応です。
チェーン店の場合、どんどん出店して勢いがあれば、店舗社員からエリアマネージャーなどキャリアアップの可能性もありますが、店舗展開もすぐ頭打ち、不採算店舗の閉店など規模を縮小する動きがすぐ訪れます。
飲食店というのは経営者になって初めて儲かると言ってもいいでしょう。すなわち自分で独立する気がないのなら飲食業に足を踏み入れるのは今の時代危険だと筆者は考えています。
これから飲食業に進もうと思う方には、何を学びたいのか?40代、50代どういう飲食人になりたいのか?先を見据えた就職活動を行ってほしいと思います。