【店長という仕事】飲食店チェーン社員の苦悩~アルバイトに振り回される人生~

今回は、飲食店の中でもチェーン店での体験談を元にいくつかエピソードを話したいと思います。

飲食店というのは社員になって初めて分かる恐ろしさというものが山のようにあります。他業種を経験した事がある人は飲食の中を知って即退社する人も少なくありません。

飲食店で働き転職を考えている飲食人、これから飲食業界へ進む若い方へ参考になれば幸いです。

チェーン店はアルバイトが主役

チェーン店の飲食店の店長、社員の仕事内容というと経験の無い人はどんな事を想像をするでしょうか?

お客さんに注文を取りに行き愛想よく接客する、レジでお会計を担当する、厨房の中で汗だくで鍋を振っている、などなど、、、店長だから任せられる仕事、社員だから任せられる仕事という風に考えるのが普通だと思います。

しかししかし、実際のチェーン店において、営業に関わる仕事はほぼアルバイトが行っているというのが今のチェーン店です。

もちろん社員も一通りの営業は出来るのは当たり前ですが、今のチェーンは完全マニュアル化されており、料理も接客もアルバイトで全て賄えるようになっています。

じゃぁ飲食店の店長の仕事とは何か???

店長の仕事というのはアルバイトのコントロール業なのです。

アルバイト様仏様

本社とのミーティング、売り上げ管理、発注、社員の仕事はブラック企業になるのは当然という内容ばかりですが、というか、居酒屋の社員なんて夜中まで仕事して発注して翌日の準備して、朝から本社ミーティングってアホか!と昔は思っていました(オンライン化も進んだ今、そうでない事を祈ります)

しかし、そんな仕事なんて麻痺、、いや慣れてしまえば可愛いものです。

アルバイトの管理、シフト、、これが地獄のような仕事なのです。

チェーン店というのは、一つの店舗に社員が何十人もいるものではありません。100席規模のお店であっても社員は二人、三人、、、ひどいチェーンだと一人・・・

それに、アルバイトが50人いる。そんな状態で飲食店は運営されているのです。

このチェーン店サービスが悪い、、味が落ちた、、そりゃそうです。只でさえ薄利多売、自転車操業な飲食業界で安さを求められたら、質を落とし、人件費を極限まで削るしかないのですから。

本社からの人件費削減の圧に耐えながら、シフトを組み、自分の休みも確保する。思い出しただけでも頭痛がしてきました・・・

人件費もっと抑えろと本社からの指令

アルバイトのシフト管理というのは本当に難しく、ぶっちゃけて言えば、忙しい時にいっぱいいてくれればそれでいいんです。正直。

でも、そこは水商売、お客がいつ雪崩れ込んで来るかは分かりません。どんなに考えて予想でシフトを組んでも、天気予報裏切りの豪雨なんて来ちゃった日には只々涙です。

でもアルバイトからしてみれば、暇な方が楽でいいんですよ、飲食店が忙しい時間帯だけピンポイントで入るなんて、そんな神アルバイトなんて中々いない訳で、、、だから予想を下回れば、アルバイトに帰ってもらうなど判断をしなくてはいけません。ここで上手なコミュニケーションが普段取れていないと、「辞めます!」なんて言葉が飛び出して来てしまうので、アルバイトとの関係作りも非常に重要になってくるのです。

さて、、、それでは私が店長時代、迷アルバイトと戦った時のエピソードをいくつかご紹介しましょう。飲食チェーンに就職を考えている方は是非ご覧下さい。

① 今、向かっています!

無断欠勤、音信不通、多くのアルバイトを抱えていたら、そんな事を平気で行える人とも出会ってしまうのもしょうがないですが、こちらのアルバイトさん、ご丁寧にも「ちょっと遅れます、今向かっています!」とLINEが入りました。

ほうほう、まぁまだお店も混んでないし、いいかぁ~なんて思ってたのですが、30分、1時間、1時間半、あれいったいどこから向かってるの?

もう来るの?とLINEすると、「もう少しで着きます!すいません!」とご返信。

2時間、2時間半、3時間、、、海外から?なんて思っていたら、LINEがピコーン。

「辞めます!すいません」

そして音信不通。。。ある意味普通に辞めるより悪質。

② 年末年始は俺一人

年末年始、チェーン店に家族で行ったら、店員も来ないし料理も出て来ない、テーブルも片付いていない、、最悪なんて経験あるのではないですか?

アルバイトも年末年始お出かけするんですよ。11月くらいから、アルバイト全員に声かけてて、「多分、大丈夫です」「私、出れます!」なんて声が聞こえても信じてはいけません。

12月も終わりに近づいてくると、「友達と出かける事になって出れません!」「予定入ってしましました」「身内に不幸が」俺が不幸やと言い返したくなるような出来事が起こります。もちろん本社の皆さんもしっかり年末年始を満喫しますから、バックレも相まってワンオペの始まり始まり。。。まぁ諦めましたけどね。

③ 週6入ってるから俺の店

アルバイト君も毎日出勤してると、常連と顔馴染みになったり、自分の友達を呼んだり、ちょっと調子に乗りたくなる子もいたりします。

勝手にサービス、サービス、私に言えばいくらでもサービスするよ!なんて子も。

なるほど、どうりでこのアルバイト人気な訳だ。しかし、全体を考えるとどうだろう。一瞬の集客にはなるが、サービスだけのサービスではお店の為にならないわな。

しかし週6のアルバイトは貴重。まぁでも自分のお金でサービスするならまだしも、ある意味横領ですからね。

指導したらあっさり辞めてしまいましたが、ルールを作り、しっかりマニュアル化されているとはいえ、難しいものです。

最後に

アルバイトとのエピソードは書き出したら止まらないくらいあるので、またの機会にまとめたいと思っております。

最後になりますが、飲食店の社員というのは、お客との人間関係、本社との人間関係、そして何より、アルバイトとの人間関係が全てです。

飲食店の社員は過酷です。精神的にもきついです。いきなり社員はおすすめしません。自分が入ろうと思っている飲食チェーンのアルバイトで入り社員の仕事を観察してから入社を決めてもいいかもしれません。多くの飲食店の求人が溢れる今、甘い求人には引っかからないようご注意下さいませ。