参入しやすい割にリスクも高い飲食業界 多くの店が閉店に追い込まれる訳

脱サラして飲食店を経営。そんな話って良く聞きますよね。20年以上この飲食業界を見ている者として、何故飲食店へ?そんな疑問をいつも思うのです。

お酒が好き。話が好き。そんな理由で会社勤めを辞め飲食業界へ進むのは本当危険な行為だと私は思います。飲食店で独立を夢みて修行しても、いざ独立するとなるとリスクの高さに独立を断念するなんて事も多々ある業界です。飲食店の内情を知れば知る程、自分でお店を出す事の怖さは分かる筈ですから。

なぜ飲食店を出店するのか

飲食店が毎年どれだけ出店して、どれだけ廃業に追い込まれているかご存知でしょうか?

飲食店を新規出店した場合、3年以内に廃業する割合は70%に及ぶそうです。そして10年営業していけるお店は10%に満たないと言われています。多くの経営者は飲食店ほどリスクが高くリターンの少ない業態はないと口を揃えます。

それでも飲食店の開業が後を絶たないのは何故なのでしょう。
大きな企業であれば膨大な資金力を使い飲食店経営に乗り出すのは分かります。広告費もうまく使えますし、税金対策での飲食店の経営なんて選択肢もあるのでしょう。

しかし、資金力のない小さな会社や個人が飲食店を出す場合は、かなりのリスクが伴う事を覚悟しなければなりません。

飲食店はオープンしてから半年はお客さんは来ない?

飲食店を甘く見ている人は、新規オープンしたら最初はそこそこお客さんが来てそこから、徐々に売り上げも伸びていく計画を立て出店します。
しかし、現実はそう甘くありません。

余程、飲食店の集客を熟知していてオープン前から対策をしている人であれば、軌道に乗せるのは早いかもしれませんが、通常は半年は赤字経営を覚悟しそれだけの資金を用意して開業しなければなりません。
オーナーシェフならまだ幾分余裕はあるかもしれませんが、飲食店は一人では出来ませんよね。従業員を雇う事がほとんどだと思います。

イニシャルコストに加えランニングコストを加えると飲食店経営の難しさは分かると思います。毎日どのくらいの客数を集客しなければならないか。

うちは客単価5000円だから1日15名くれば黒字だな。「1日15名」簡単な事のように思えます。しかしその15名を集客出来ないから飲食店の廃業率は高いのです。

飲食店を独立開業するなら事前の準備は徹底する事

たまにこんな話を聞きます。私は友達が多いから集客は大丈夫だと。私はそう言った人で今も飲食業をやっていけてる方を知りません。
飲食店は友達が多いから成功するものではありません。もちろん最初は来店してくれるでしょう。ただ友達という事でサービスをする事になるとサービスありきの関係になってしまいます。そして友達のたまり場になってしまい廃業する事だってあるんですから。

飲食店を経営する上で友達に頼る事は危険なのです。全く知らないお客さんをいかにリピーターに繋げるか。むしろ知り合いが来店しない店作りが出来なければ飲食店での成功は有りえないのです。

飲食店での独立を考えている方へ

飲食店を開業する前に、集客についての知識は持っておく事。自分の店に合った広告媒体やSNSを使った集客など。オープン前に宣伝したって構わない訳ですから。
そして、飲食店で一番お金が掛かる開業資金。どの程度借り入れてどうゆう返済計画にするかをしっかり考える事。先ほども言いましたが半年は赤字経営になる覚悟で計画を立てなければいけません。

何とかなるだろう。そんな考えでは飲食店の経営は出来ません。

見た事ありませんか?オープンしたと思ったら半年も経たずに閉店してるお店を。毎月赤字で資金が底を尽き閉店を余儀なくされたのでしょうが、あまりにも計画性がありませんよね。

昔と違い「食べログ」や「ぐるなび」や「retty」などのポータルサイトがある事により、新しいお店は評判や口コミを見てからなんて思うのがお客さんの心理です。オープン早々にお客さんの行列が出来る店なんてのは、事前にしっかり集客の為、お金を掛けて宣伝を打っているお店って事なのです。

飲食店は、オープンするまでも大変ですが、オープンしてから集客するまで、そして集客したお客さんをリピーターにするまで、そしてリピーターを飽きさせない努力。そしてまた新規客の集客と。ずっと走り続けなければなりません。飲食店を開業するという事は、ずっと走り続けるという事。その覚悟が無ければ飲食店を開業する事は無謀だという事を忘れてはいけません。