飲食店を利用していると、たまに「あれ?」という事ってありますよね。先日も友人からこんな話をされました。
「こないだ、新規開拓をしようとグルメサイトを見て予約して居酒屋に行ったんだけど、店に着いたら前に来た事あるなぁと思ったら数ヶ月前に来てたんだよ。前の店が潰れて変わったのかと思ったんだけど、違った。。その店、店の名前が2個あった」
たまにこんな話聞くんですが、今は結構やってる飲食店もあるんですよね。飲食業界では結構当たり前の話ですが、お客側は意外に知らないのかなぁと思いましたので、今回は店名が複数ある飲食店のお話をさせて頂きます。
店名を複数掲げるメリット
飲食店経営において、最も重要な問題が集客です。
どのお店も一人でも多くのお客を集客したい訳ですから、雑誌、テレビ、SNSなどあらゆる媒体を使ってお店をアピールしています。
その中でも、未だ絶大な集客効果を持っているのが、「食べログ」「ぐるなび」「Hot Pepper」などのグルメサイトです。
お店の単価や土地によっても強い媒体に違いはありますが、正直、飲食店を経営していてこれらのグルメサイトを無視する事は出来ません。
そして、このグルメサイトに集客の全てを注ぎ込んでいるのが、先ほどから言っている複数の店名を持つ飲食店になります。
何故、店名が2つあるといいのか?
店名が2つあれば、お店は1つでも集客の入り口は2つです。
例えば、店名が「海鮮〇〇」「焼き処〇〇」の2つを掲げてる店があったとして、媒体に幹事さん向けのページ作りで「海鮮〇〇」を契約して、女子会向けのページ作りで「焼き処〇〇」を契約する。そうすると、店は1つでも集客効果は絶大なものとなります。
さらに言えば、グルメサイトも複数契約すれば、集客効果はさらに上がるのです。
ビジネス飲食店の姿
しかしながら、この手の飲食店経営は個人店では不可能です。なぜなら広告費が異常な金額になってしまいます。
一つの契約だけでも、数万~百万クラスまでグルメサイトの広告費用はかかります。
一ヵ月、二ヵ月客が来なければジ・エンド。即閉店です。
ただでさえ、薄利多売の飲食店、広告費なんか掛けたくないというのが多くの飲食人の心理です。だからこそ、来店してくれたお客を大事にしてリピーターを獲得して人から人へと伝わり人気店となる。それが飲食人の理想であり、目標ですよね。
しかし、こういったタイプの飲食店は基本ビジネス飲食店の場合が多いです。
大きな箱を用意して、広告費に数百万掛けて、とにかく集客に命を懸ける。店名が何個だろうが、店の外にキャッチを使おうが何でもありです。とにかく客を詰めろ、経営側はその一点です。
人材育成?関係ありません。基本アルバイト使い捨て精神ですから、お店さえも使い捨てです。。悪い口コミが増えて集客に陰りが見えたら、店名を変えて再出発すればいいだけですから。
あの場所の飲食店って長続きしないよな~なんて感じた事ありませんか?
実は、店は変わってるけどオーナーは同じだったりするんですよ。これこそ飲食店の裏側ですね。
さいごに・・・
最近では、こういった飲食店がボッタクリ居酒屋なんてSNSで拡散されたりするもんで、グルメサイトも複数の名前を持つ店舗の掲載を禁止にしてる媒体も出てきました。
クレームもグルメサイト側に入るんでしょうね。グルメサイト側にしたら毎月数百万落としてくれるお客ですから大事にしたい所でしょうが、ボッタクリに加担していると捉えられるのはといったところでしょうか。
まぁ某グルメサイトは未だにお金さえ払えば何でも掲載してくれるそうですが・・・
最後になりますが、どうしてもこれだけは言っておかなければなりません。
飲食店というのはどうしても薄利多売です。ただ、薄利多売になる原因が人材にこだわる、食材にこだわるのであれば、それは当然でありお客側の満足度は高いものとなるはずです。
しかし、食材はどうでもいい、人材も安く使えるアルバイトでいい、ただ広告費は限界まで掛ける。さて、これはいいお店でしょうか?
働いてる人も、来店した人も決して満足度は高くないでしょうね。あっでも経営者は満足度は高いか。。。
飲食店を利用する皆さん、飲食店で働こうと思っている飲食人よ、グルメサイトの情報を鵜呑みにしてはいけないよ。お金さえあればサイト上の評価は買えるんですから。