本日のお話は、初めての就職活動で飲食店への就職を考えている若い方、第二の人生で飲食店へと進もうと考えている方へ、様々な飲食店を経験している私がちょっとアドバイスを送ります。
チェーン店へ進もうと考えているのなら、是非読んでみて下さいね。
チェーン店は知名度もあるし、店舗も多いから安定しているは間違い?
飲食店に就職、転職となると、まず候補に挙がるのはチェーン店と呼ばれるお店ですね。
繁華街を歩いていると一等地の商業ビルに店舗を構えているのを見ると、このチェーン店は儲かってるんだろうな、、就職するのには安定しそうだな、、と思ってしまいがちですが、実際一等地に店があるのと儲かってるのは別の話なんです。
実際に、店の宣伝になるからと赤字でも一等地に店を構えるチェーン店もあるくらいで、正直、、飲食店の利益というのはそこまで出るものではありません。
そして飲食店というのは、新規で出店しても数年で90%の店が閉店する非常に厳しい業界です。どんな大きなチェーン店お金があっても、少しでも客の入りが悪ければ、即撤退せざるを得なくなります。
ですので知名度があるお店だから安定しているという考えは捨てましょう。いや、、むしろ飲食店に安定を求める方が無理があるのかも知れません。
チェーン店の出店スピードは早いと危険?
先日、後輩にとある飲食チェーンへの就職を相談されたのですが、聞いた瞬間「来たな」と思いましたね。
確かにその飲食店は、知名度が抜群。出店スピードも尋常じゃないくらい早い、、確かにこんな勢いがある企業で働きたいと考えるのも無理はありません。
しかし、出店の勢いがあるから会社が上向きか?と言われたら答えはノーです。
というのも大型チェーンを作る経営者というのは、とことん貪欲です。数店舗を経営してじっくり社員、お客を集め、月100万手元に残るような経営では正直満足出来ないのです。
先ほども言いましたが、飲食店の利益率は他業種と比べ圧倒的に低いです。大きな金を稼ぐには店舗をどんどん増やすしかありません。そして店舗数が増えれば銀行の融資も受けやすくなりさらなる店舗を出店出来ます。
正直な話、キャパ100席くらいのお店を作って、順調にお客が入ったとしても初期投資を全て回収するのには数年かかるのが飲食店というものです。
数年で数十店舗というのがいかに異様なスピードかが分かると思います。
飲食店は自転車操業とはよく言ったものですね。
スピードの行きつく先には・・・
出店スピードの早い、飲食店その船に真っ先に飛び乗れたなら、多少の恩恵は受けれるでしょうが、後発組は厳しいですよ。
利益を少しでも出す為に、店舗の社員の人数は限りなく少ないです。それもそのはず、スピードのある店舗展開をするには全てをマニュアル化するしかありません。飲食店未経験のアルバイトだろうが、言葉の分からない外国人だろうが、誰でも調理、提供出来るようにしている為、社員というのはアルバイト管理、在庫管理、売り上げ管理、本社とのパイプ役、想像とは違う仕事をする事になります。
その結果、飲食店がブラック企業の代名詞となった訳ですが、いくら働き方改革を行っても、その利益のシステムでは変えようがないというのが会社の本音でしょうね。
そして、出店スピードが落ちた時には、利益の出ない店舗は容赦なくカットしていきます。働いている人間、そこに通う常連、そんなもの関係ありません。入れ替わりの激しい飲食店の社員の事など家族のように考えていては飲食店経営は出来ないのです。
最後に
ここまで読むと大型チェーンの飲食店は危険かな?と思う方も多いと思いますが、飲食店というものがそもそも安定企業では無いという事だけはしっかり理解すべきだと私は思います。
だからこそ、飲食店が好きでなければならないし、一生続けていく覚悟が必要なのかな?とも思います。
そして自分にあった飲食店を見つけるというのもすごい大事な事です。
求人をいくら見ても、出てくるのはお金を掛けている大型のお店ばかり、自分に合った飲食店を見つける為に色々な情報を掴むのも非常に重要な事です。素敵な飲食店と巡りあえる事を祈っています。