ブラック企業のような言葉が生まれて何年も経ち、何とかイメージを回復しようと働き方改革のような取り組みを行っているようですが飲食店は相変わらず働きたくない職業ランキングの上位に君臨しています。
労働時間が長い、拘束時間が長い、給料が安い、安定してない、、、飲食の道へ進みたくない方の意見を聞くと、確かにごもっともなんです。。。そんな深く考えずにこの道に進んでしまった自分が悪いんですがね・・・
ところで、本日のお話は飲食店の給料明細の中に突如として登場した「みなし残業代」についてお話したいと思います。
基本給がやけに少なくなった、でもみなし残業代が〇万円も入ってるから別にいいか~なんて簡単に考えている皆さんは特に注意が必要です。そもそもこういった仕組みは会社が得をする事はあっても、従業員が得をする事なんてないのですから。
みなし残業とは?
みなし残業とは正しくは固定残業代といいますが、何故か「みなし残業」のような微妙に分かりづらい名前が一般的に広まっているのが現状です。
まぁ簡単に言うと、月の給料に残業代をあらかじめプラスしてお支払いしますよ~。って事。
会社としては従業員一人一人の残業時間の計算の手間も省けますし、従業員としては残業ゼロでも残業代出る訳でどちらもハッピーに聞こえますが、実際はそうではありません。
そもそも全ての飲食店において残業が無い訳ありませんよね。以前、労働基準法について書きましたがクリアしてる項目を探す方が難しいですから。
基本項目として、、、
- 1日に8時間、一週間に40時間を超えて労働させてはいけない。
- 労働時間が6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は1時間の休憩を与えなければならない。
うん。無理だよね。
みなし残業の問題点
あらかじめ残業代を固定で払うと言っても、飲食業のような長時間労働の現場で適用したら金額が超高額になるのは現場にいる皆さんならお気づきだと思います。
本来はしっかし書面でみなし残業の内訳は労働者には伝えなければならないのですが、そんな手順を踏んでいる飲食店は多くありません。私の聞いた話では、基本給があり得ないほど低く設定され、みなし残業を多く渡す事によって残業時間の長さをうやむやにしているブラック飲食店もあちこちに存在するとか・・・
まぁはっきり言うと、労働者に対する制度ではなく、会社が労働者から残業代残業代言われないようにする制度みたいなもんな訳ですよ。こんなものを作っても、みなし残業代についてはあちこちでモメモメしている訳で、こんなものを作るより労働時間を短縮する方法を考えるべきだと思いますがね。
これからの飲食店
メディアやSNSなどで多くの飲食店従業員が声を上げた事により、ブラック企業のような言葉、働き方改革のような取り組みが始まっています。
でもまだまだです。
この「みなし残業」についても、一体会社は月に何時間残業をみなして出した金額なのか?一人一人が考え、声を上げていかなければならない問題なのです。
飲食店は、労働の割に給料が安い、、、ずっと言われ続けています。
でもそれを変えていけるのは飲食店で働く従業員にしか出来ないのではないでしょうか?