飲食店と労働基準法 長時間労働が無くならない訳

日本の労働環境については、昔から問題となっていますが、「ブラック企業」という言葉が誕生した事やSNSの普及もあり、以前よりは日本の労働について話題になる事が増えてきました(労働状況が良くなったかは別として)

他の業種は分かりませんが私は飲食業界に20年いますので、これから飲食業界に進もうと考えている方にはアドバイスを送れます。ただ飲食業をやっていると他の業種のお客さんがほとんどな訳で、飲食業だけが「ブラック企業」だとは感じませんけど、何かと話題になるのが飲食業ですよね。何故、飲食業は「ブラック企業」と言われてしまうのか?そして何故、飲食業は長時間労働になってしまうのでしょうか?

労働基準法

労働基準法の中の『労働時間・休憩・休日』にはこう書かれています。

  • 1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけない。
  • 労働時間が6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけない。
  • 少なくとも毎週1日の休日か、4週を通じて4日以上の休日を与えなければいけない。

飲食の世界のお話をすると、この一部分だけ見てみても全てをクリアしてる飲食店は無いに等しいと思います。

何故、飲食業は長時間労働になるのか?

飲食業は利益率が低い業界と言われています。個人店のオーナシェフであれば集客出来ていればそれなりの給料を取る事が可能ですが、会社で運営するとなると利益はほんの僅かしか残りません。そして飲食業のような客商売は毎月の売り上げも安定しません。天候にも左右されますし、予約のキャンセルというどうしようもない状況も度々訪れます。。

その為、飲食店は年中無休で営業しているお店が多い訳です。年中無休だけならまだしも、そこにランチ営業や深夜営業まで入ると従業員の負担は膨れ上がります。出勤が午後2時~3時で帰るのは翌朝5時(始発)なんてのは良く聞く話です。

1日の拘束時間が13時間なんて飲食業経験者なら驚きもしないのではないでしょうか。

長時間労働に加えて、休みが取れないというのも飲食店で良く聞く話です。というのは、従業員が全員社員であれば、休みが取れないなんて事はありません。しかし全員社員にしてしまうと赤字経営になってしまうのが飲食店です。社員の人数はギリギリまで少なくしアルバイト多く雇い人件費を抑えない事には利益が出ないのです。

そしてアルバイト頼みになっているがゆえ、急な休みや大型連休でアルバイトがほとんど休んでしまうといった状況になった時、社員の休みは無くなってしまうのです。。。

責任感が強い人が飲食店に集まる

飲食店の社員は責任感が強い人が多いように思います。人手不足でどうにも営業は出来ない時でも社員だけで何とか営業したりする。無理なら休んじゃえばいいんですよ。会社にもこうゆう理由で営業出来ませんと言えばいいんです(まぁそれが言えたら苦労はしないですが・・)

無理して営業しても、社員にとってもお客さんにとっても何もいい事ないですからね。

飲食業界も変わっていくのか

私が大きい飲食店の店長をやっていた時も休みは月3回ほど、それに加え長時間労働です。毎日ふらふらになり家に帰っていた記憶しかないです。そして年中無休ですから、毎日電話が鳴らないか不安でしょうがなかったです。トラブルの報告やアルバイト欠席の連絡。休みでも休んだ気がしなかったです。

しかし、そんな飲食店ですが変わっていく兆しは見えます。

従業員の声が世間に出てきた事が大きいのでしょう。深夜営業の廃止や年末年始を定休日にする店など、少しづつですが改善の兆しは見えています。

これから飲食業界へ進む方は、飲食店就職をサポートしてくれる会社が近年増えていますので利用してみては如何でしょうか?色々なアドバイスももらえますし、その店の内情も聞いておくと入ってから話が違うなんて事はないと思いますよ。

これから飲食店で働きたいと思っている。また、今現在飲食店で働いてるけど、将来を考えている。
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