1日13時間労働は当たり前!?飲食店の常識は社会の非常識

世の中には色んな職業がありますが、ブラック企業として話題になる常連と言えばやはり飲食業界。

もちろん過酷な仕事は他にもいっぱいあるでしょう。しかし、求人紙などを見ても分かる通り、掲載されているのは飲食店の求人が圧倒的に多いですよね。

そして条件面は少しでも応募があるように嘘を書いている事がほとんどです。求人紙の規定もありますしね。

「月8日休み」「実働8時間」「夏季、冬季、GW、年末年始休みあり」

こんな表記が見て取れると思います。ただ数多くの飲食店を見てきた私から言わせてもらうと『ありえない』の一言に尽きます。

実働8時間はどうやって実現するの?

まず飲食店で休憩1時間とかありえないですからね。

営業が始まってしまったら、休憩が取れないなんて飲食店では当たり前です。

お店が17時オープンで23時閉店のようなクリーンな飲食店だとしても、営業だけで6時間ありますからね。

オープン前の掃除、仕込み、とても8時間では収まりそうにありませんね。

ましてやランチ営業があるとしたら・・・

ランチが11時オープンだとすると、9時には出社しないと間に合わないでしょうね。そうなると・・・

飲食店で一番コストが掛かるのは人件費

飲食店経営者は皆、口を揃えて言います。人件費が高いと。

これは、飲食店の従業員の給料が高いという事ではありません。

売り上げに対して人件費が高いという事。

飲食店は利益率が低い。利益率10%のような世界です。売り上げが200万だったとしたら20万円残るか残らないかの世界。

普通の会社を立ち上げるのとは比べ物にならない程、初期投資も掛かります。

そして営業をしていれば冷蔵庫が壊れた、エアコンが壊れた、トラブルも多々出てきます。そして従業員の離職率も高い事から、求人にもお金が掛かります。

正社員で交代制はありえない

ランチ営業なんて正直誰もやりたくはないと思います(夜がメインの居酒屋の場合)

ランチ営業は、辛い割に儲からないですからね。でも、やらなければならない。少しでも売り上げを出さないと飲食店は経営出来ませんから。

どうゆう事かと言いますと。例えば正社員の求人を見ると

  •  9時~18時
  • 15時~24時

とか

  • 9時~24時(交代制)

ランチから夜まで営業するお店の場合こんな求人になるんですよね。

でもさっきも言いましたように、ランチ営業は対して儲かりません。ですのでランチの為に社員を雇うという事は基本ありえません。

夜のメンバーが身体を酷使してランチも営業するんですよ。少しでも売り上げを上げる為に。

1日13時間労働そして休日

でも朝までやってるような居酒屋だと13時間労働では済まないかもしれませんね。

そして飲食店の休みですが、定休日が週に1日あるお店であれば、最低でも月4日の休みは確保出来ますが、年中無休のお店であれば繁忙期では月休みが2回しかとれてないなんて事もよく聞く話です。

週休2日なんて夢の世界ですね。

アルバイトのバックレや体調不良による休みで、休日返上なんて事もあるくらいで、休みが減る事はあっても増える事はないです。

飲食業界に進む方へ

若いうちは飲食業でも何とか頑張れるかもしれません。

でも飲食業界に進むのであれば10年後20年後を考えるべきです。体力も落ちます。家族が出来たら家族との時間も欲しくなります。そして10年続くお店は全体の1割にも満たない業界だという事もしっかり考えるべきです。

飲食店の未来が不安。転職を考えているのであればこちらの記事もご覧下さい。

飲食店の将来性 転職すべきか?10年後の未来を見据えて

2017.04.05

最後に

これから飲食業界はますます厳しくなっていくと思っています。

意味の無い安さの価格戦争もその一つ。安さで勝負して辛い思いをするのは現場の従業員だけ。

むしろ飲食店を働きやすい環境にするには、全体的に価格を上げる事。飲食店全体が飲食店の価値を高めていかなければならないのではないかな。と思うんですよね。無理でしょうけど・・・