これから就職活動を控える皆様。転職で飲食業界へ進もうと考えてる皆様。
この世には様々な職業があります。事務職から営業職、運送業から建設業、さらにはユーチューバーなんて職も・・・選ぶには事足りませんね。でもそれだけ業種がありながらブラック企業の代名詞である飲食業界へと進もうと考えているのなら、少しでも内部を知っておいて損はないと思うのです。
二十年近く飲食業界にいながら、IT企業、建設業など様々な職を経験したからこそ言える、飲食の過酷な現場を是非ご覧下さいませ。
入り口が広い!これが飲食業界!
飲食店の面接をしていると、どうして飲食を希望したの?という問いにほとんどの人がこう答えます。
『接客が好きだから』
でも接客が好きな人って実際いるんですかね。接客って本当に大変な事ばっかりで、何かミスをすればクレーム、、酔っ払いには絡まれる、、飲食の接客って好きな人まぁ見た事ないんです。
本当は、やりたい職が無くてとりあえず飲食。やりたい職に行けなくてしょうがなく飲食。知識も経験もなくても就職出来る飲食は手っ取り早いからって人が意外に多いのも事実だったりします。
正直、頭の回転とか要領の良さなど飲食も向き不向きはありますが、まぁ大抵の人はやってみればなんとかなってしまうのが飲食業です。学生時代アルバイトで飲食店で働いていたなんて人も多いでしょう。でもそこから正社員になろうとは普通思わないはずなんです(私のように就職活動を始める前に口説かれて社員になってしまった自分の将来設計も出来てないどうしようもない人もいますが・・・)
飲食の何が過酷か!? ① 長時間労働
例を挙げると、居酒屋業態であれば、17時にオープンして24時に閉店となると、7時間の営業時間となります。これに加えてオープン前には掃除やら仕込みやらの準備が業種にもよりますが3~4時間は加わるでしょう。そして閉店後にも片付け、翌日の発注作業、レジ閉めなど飲食は軽く12時間労働を超えていきます。さらにランチ営業まで加わると?????その店が年中無休だったら????
飲食は長時間労働が当たり前。他の業種を知ってるならおかしいと思うのですが、飲食しか知らない人が圧倒的に多い業界なので、この辺が曖昧になっているのです。
飲食の何が過酷か!? ② 休憩って?
普通の職場の経験があれば、ご前に小休憩してお昼休憩して、午後休憩してみたいな時間が当たり前にありますが、飲食にはありません。
先ほどの居酒屋業態では、仕込み終わってオープン準備が終わって、オープンするまでの時間休憩したりはしますが、決まってはいませんし、媒体との打ち合わせ、店長会議など他の用事が出来てしまえば休む時間はありません。
そしてオープンしてしまえば、閉店まで休憩が取れないなんて当たり前。利益を出す為にはギリギリの人数で営業しなければならなく席が埋まってればずっとバタバタです。営業中に1時間休憩行ってきますなんて世界は飲食にはありません。
飲食の何が過酷か!? ③ 休みって?
これは飲食社員の定番。休みが取れない。個人店で定休日がある店はいいですが、定休日を設けると飲食は利益が本当に少なくなってしまいます。だから年中無休の店が多い訳ですが、年中無休の店を営業するとなると社員は本当に心休まる日はありません。
「明日行けません」「体調悪いので・・・」究極はバックレ退社。アルバイトから連絡がある度胃が痛くなったのは私だけではないはずです。
チェーン店ではアルバイトが主役で社員はアルバイトの管理が仕事。アルバイトを上手く操作出来なければそれは自分の休みが無くなるという事。自宅で寝てても突然鳴る店からの電話。接客が好きだから、料理が好きだから、そんな戯言で務まる職じゃ~ないのです。
飲食の何が過酷 ④ サービス業の宿命
飲食業はサービス業ですので、基本お客さんが自由な時間に働く事になります。
仕事が終わって、仲間達と恋人と、家族と飲食店を利用する訳です。つまり多くの人が楽しむ時には自分は絶対仕事があるという事。
私は、これに関して正直ストレスは無かったんですが、周りにはストレスに感じている同僚はいました。みんなで旅行行こうっていってもまぁ参加出来ないですからねぇ。金、土、日で月曜日有給使って旅行行こうぜ~ってまぁ無理だな。
そして、家族。
自分に家族が出来たら?子供が出来たら?
私の周りにも、子供の寝顔しか見てないなんて事うを言う人がいました。でも嘘じゃないんです。昼に出社して帰りは深夜。幼稚園、小学校、中学校に通う子供達とは時間軸が違うのです。
土日は仕事。休みは集客の少ない月曜日。これがサービス業の宿命なのでしょうか?
終わりに
これまでも飲食業について色々書いてきましたが、飲食は本当におすすめしません。
時間の事、休みの事、家族の事、どれをとっても不遇です。
今も求人を見ると、休みがどーたらこーたら、書いていますが、そう書かないと掲載出来ないから書いてあるだけで実際は違います。飲食は過酷です。いや過酷じゃないと利益は出ませんと言ったほうがいいでしょうか。
飲食は過酷なのが当たり前、それに文句を言う人がいなさすぎなのです。飲食しか知らない、飲食はこんなもんだと思っているのかもしれません。でもそれでは飲食は終わりです。経営者だけが儲かる箱にすぎません。従業員がどれだけ当たり前を主張していけるか、飲食業界が大きく変わらないと、飲食業はいつまでも私は勧められません。